目次
― フォニックス × 音読ルート × 可視化で育てる“読む回路”
「英単語を見ても読めない…」
「音は分かるのに文字になると分からない…」
― それ、“音と綴りの変換回路”が育っていないだけかもしれません。
👁 本記事の視点
☑ アルファベットは分かるのに単語を読めない
☑ 単語を音読しても発音がバラバラ・不安定
☑ 聞いた音は分かるのに、文字になると混乱する
これ、フォニックスのルールを“使える形”で脳に定着させていないから。
音と文字をつなぐ“変換の回路”を、目・耳・口で繰り返すことが必要です。
✨ 教育理論・学習モデルの背景
理論・モデル | 支える力 |
デュアルルートモデル(音韻ルート) | 音から読む力と、視覚から直接読む力の2本立てが必要 |
フォニックス(Phonics) | 音素と綴りの規則性を脳内で変換する力 |
オーソグラフィックマッピング(Ehri, 1992) | 「目で見た単語」と「音と意味」がリンクする記憶の仕組み |
✅ 家庭でできる!“英語を読む力”を育てる3つのしかけ

① 「音読できる単語だけを“見る→言う→触る”の流れで繰り返す」
📍目的:見た単語が“音と結びつく感覚”を育てる
実践法:
- “cat”や“map”など1音節のCVC単語をカードにして
- 見て → 声に出して → 綴りをなぞる(手でなぞる)
- 書く前に、音読 → 触る → 読み直す のリズムを定着させる
🧠 読みの基本は「目で見る → 音が出る」流れを自動化すること
② 「同じ“音の型”の単語をグループでまとめて読む」
📍目的:脳が「綴りのパターン=音」をひとまとまりで学習
実践法:
- “at”で終わる単語(cat, hat, mat…)だけを集めて練習
- 「“a”と“t”がつくと“アッ”になるね!」と声に出して気づかせる
- 絵やジェスチャーとセットにして意味理解とセットで覚える
🧠 パターン認識が育つと、“知らない単語も読める”に近づく
③ 「音読→文字消し→音だけヒント→再読」のステップ練習
📍目的:音→文字の再構築で“読みの再処理回路”を作る
実践法:
- “run”を見て音読
- 文字カードを隠す
- 親が「ラッ・アッ・ヌッ」と音ヒントだけで思い出させる
- 「runって綴れる?読める?」ともう一度読む
🧠 音→記憶→文字の再生ルートが、読む力を確実に強化する
⚠ よくある誤解と注意点

誤解 | 実際は… |
「音読させれば自然に読めるようになる」 | → 読む力には“音と綴りを結びつける訓練”が必要 |
「フォニックスをやれば万全」 | → ルールだけでなく“使う経験”がなければ意味をなさない |
「読むのが遅い=やる気がない」 | → 脳の変換プロセスが育っていないだけで、意欲の問題ではない |
🧠 裏付けとなる研究・理論
- Ehri’s Orthographic Mapping Theory (1992–2005):視覚認識と音韻のマッピングが“読む力”の鍵
- Scarborough’s Reading Rope(2001):読みの熟達は「音韻 × 意味 × 認識」の複合構造
- National Reading Panel (2000):フォニックスと音韻認識は初期読解に不可欠
🧩 まとめ:「英語が読めない子」は、“綴りと音の結びつき体験”が足りないだけかもしれない

親ができることは:
✅ 単語を「音・意味・綴り」でつなぐ繰り返しを丁寧に入れる
✅ 綴りパターンを“グループ”で扱い、脳に“型”を教える
✅ 「読む感覚=音を再現する回路」を遊びで育てる
読む力は、“音・意味・形”の結びつきを作ることから始まります。