― 語順感覚 × 文構造の視覚化 × 動作とリズムで育てる“英文の組み立て力”
「be動詞?一般動詞?SVOって何?」でつまずく子は、“英文の順番”が体に入っていないだけかもしれません。
― 英語はルールでなく“並びの感覚”から教えると、文法がすっと入ってきます。
目次
👁 本記事の視点
☑ 文法を習っても使えない・応用できない
☑ 文の並び順(語順)で混乱する
☑ 言葉を並べることに“自信がない・面白くない”
それ、ルール理解ではなく“順序感覚の不足”かもしれません。
日本語と英語の語順の根本的な違い(SOVとSVO)が、文の構成に苦手意識を生むことが多いのです。
✨ 教育理論・言語習得アプローチ
理論・アプローチ | 支える力 |
TPR(Total Physical Response) | 身体動作と語順をリンクさせ、文の構造を体で覚える |
マルチモーダル学習 | 視覚・聴覚・運動を組み合わせて語順を感覚で習得 |
構文パターン学習(Pattern Practice) | 意味のある例文の反復で“型”を自然に染み込ませる |
✅ 家庭でできる!“英語の順序感覚”を育てる3つのしかけ

① 「英文の順番を“カード”で並べ替える遊び」
📍目的:語順=順序感覚を視覚でつかむ
実践法:
- “I / eat / an apple.” などのカードを並べて文を作る
- “You / play / the piano.”など主語・動詞・目的語を区別して組み換え
- 間違えても、「どの順だと気持ちよく聞こえる?」と感覚を育てる
🧠 英語の語順(主語→動詞→目的語)は、「パターン」でなく「リズムと順序」として学ぶ方が自然
② 「ジェスチャーで“動作×語順”を連動させる」
📍目的:文法ルールを“身体化”する
実践法:
- “I eat an apple”を言いながら、順番に:自分を指す→食べる真似→リンゴを持つ真似
- 親が言った文に即応して動作する(TPR)
- リズムに乗せて言うことで、「語順=テンポ」が定着
🧠 英語の文構造は“言葉の流れ”で覚えると、使える力につながる
③ 「“パターン文”を毎日1つだけ、変えながら使ってみる」
📍目的:構文の“意味ある使い回し”を脳に刻む
実践法:
- 毎日1つ「今日の型」を決めて会話に混ぜる
例:「I like ○○.」→「I like cats. / I like music. / I like summer.」 - 「今日は“○○できる”って英語で何て言うか遊ぼう」と親子で実践
- 「文法=練習問題」ではなく「文法=道具」という視点に変える
🧠 型を“生活の一部”で繰り返すと、自然に「英文の組み方」が定着していく
⚠ よくある誤解と注意点

❌ よくある誤解 | ✅ 実際は… | 🏡 家庭でできる具体策 |
---|---|---|
「文法は中学でちゃんとやるから、今は単語だけでいい」 | → 文法以前に、“語順の型”が体に入っていないと、中学文法もつまずきやすい | 🔸単語だけでなく、「主語+動詞+目的語(SVO)」の並びに自然にふれる遊びを日常に取り入れる🔸例:「I like ○○」「He eats ○○」などの語順カード遊びを親子で行う(※並びを変えて“正しい順に戻す”ゲーム)🔸TVを見ているときに、「I see ○○!」と一言実況する癖をつけても◎ |
「SVOは暗記すればいい」 | → 並びは使って・感じて・動かして覚えるほうが定着しやすい | 🔸SVO構文の文章を、ジェスチャー付きで繰り返す練習が効果的🔸例:「I throw the ball.」→ “自分を指す”→“投げる動作”→“ボールを示す”🔸「Let’s play a ‘guess the sentence’ game!」で、語順を組み替えながら正しい文を当てる遊びも◎ |
「間違った順番でも伝わればOK」 | → 間違ってもいいが、“自然な順番”を心地よく感じる経験が必要 | 🔸正しい語順の文を「リズム・歌・手拍子」に乗せて聞かせると、語順が“耳に残る型”になる🔸例:手拍子で「You – like – dogs!(パン・パン・パン)」のようなテンポ練習🔸間違った順番も「うーん、ちょっと変かも?じゃあこっちはどう?」と感覚で修正させる声かけが有効 |
🔹親ができる3つの実践アクション
- 語順カードを一緒に並べて文を作る遊び
→「SVOってこうなるのか!」を体感で理解 - 動作と英語をセットにして言う時間をつくる
→「言葉の順番」が“体とリンク”して覚えやすくなる - 1つの文型を、身近な単語に入れ替えて何度も口に出す
→「使える文法」に変わる近道
🧠 裏付けとなる研究・理論
- James Asher(TPR):「身体を使った文構造の学習は、記憶定着に効果的」
- Lyster (2007):「文法はルールでなく、繰り返しと応用で染み込む」
- Montessori’s Language Sequence:話し言葉→構文→書き言葉の順で文法は定着する
🧩 まとめ:「文法が苦手な子」は、“英語の語順を使う経験”がないだけかもしれない

親ができることは:
✅ 文の順番を“視覚化・動作化”して“感じる語順”を育てる
✅ 短くて意味のあるフレーズを“反復と置き換え”で定着させる
✅ 英語のルールは「教える」より「体に入れる」感覚で届ける
英語の文法は、“知識”ではなく“使い心地”で覚えるもの。