目次
― 読む=音+意味の統合訓練 × 視線誘導 × インプット後の再構築
「英語の本を読んでるのに、内容が入ってこない…」
「声を出さないと、全然理解できない…」
― それ、“黙読の読み方”を教わってないだけかもしれません。
👁 本記事の視点
☑ 音読はできても黙読だと全く理解できない
☑ 英語を目で追うだけで意味が浮かばない
☑ 読む=訳すになっていて時間がかかる/覚えられない
それ、黙読が「頭の中で英語を意味化する訓練」だという理解がされていないから。
目→意味→記憶のルートを育てることで、黙読の定着は可能になります。
✨ 教育理論・習得アプローチ
理論・モデル | 支える力 |
サイレントリーディング(Silent Reading) | 読解=音読ではなく“意味を再構築するプロセス” |
インプット仮説(Krashen, 1985) | 読める内容を大量に読むことで語彙・文構造が自然に定着 |
視線追跡と認知処理(Eye Movement Study) | 視線と意味処理が一致すると“読みの効率”が飛躍的に上がる |
✅ 家庭でできる!“英語黙読”を育てる3つのしかけ

① 「音読 → 黙読 → 再音読」で、“頭の中で読む”感覚を定着
📍目的:黙読中に「音が浮かぶ→意味になる」プロセスを体感する
実践法:
- 1行ずつ「親の音読→子が黙読→もう一度声に出す」の3ステップ
- 2回目の音読では「最初よりスムーズになってる!」を意識させる
- 意味がつかめないときは「絵・身振り・場面説明」で補う
🧠 黙読とは“音なしで頭の中で声を出す”読み方。訓練が必要なスキルです。
② 「読む前に“内容の予想”をさせてから黙読する」
📍目的:文章に“意味の期待”をもたせることで、脳が読みモードに入る
実践法:
- 短い英文を読む前に「何について書いてあると思う?」と聞く
- 絵本や教材のタイトル・絵・キーワードをヒントに予測
- 読んだ後に「合ってた?」「どこが違った?」を対話
🧠 黙読の理解は“読みながら意味を探す意識”がカギ。予測はそのトリガーになる
③ 「読んだあとの“絵・1文・感想”のアウトプットで記憶を補強」
📍目的:黙読内容を“再構成”して脳に残す
実践法:
- 読み終わったあとに「絵で描く」「1文だけ書く」「一言感想を英語で」などを選ばせる
- 感情や印象と結びつけると記憶が強化されやすい
- 何度も読むより“1回読んで何かを残す”を大切に
🧠 黙読で得た内容を“再構築”することで、読む=意味を得る行動になる
⚠ よくある誤解と注意点

誤解 | 実際は… |
「英語の黙読は自然にできるようになる」 | → 意図的な訓練が必要な“読み方のスキル” |
「音読ができれば読解もできる」 | → 音と意味の連動がない場合、黙読では情報が通らない |
「読みが遅いのは語彙不足」 | → 多くは“語順と意味のまとまりで処理できていない”ことが原因 |
🧠 裏付けとなる研究・理論
- Krashen’s Input Hypothesis:「理解可能な入力の蓄積が読解力を育てる」
- Grabe & Stoller (2002):「黙読は単語単位ではなく、文脈単位で意味をつかむ訓練」
- Rayner (1998):視線が“意味のまとまり”をとらえるほど、理解と記憶が深くなる
🧩 まとめ:「英語が読めない子」は、“頭の中で読む回路”を育ててないだけかもしれない

親ができることは:
✅ 音読→黙読→再音読の順で“頭の中で読む体験”をさせる
✅ 予測と意味の一致で、文章を“意味ある読み物”に変える
✅ 読んだら必ず何かを“残す”仕組みで記憶に定着させる
黙読は、スキル。教えなければ育たない「音のない読み」の力です。