目次
― プログラミングで“ビジュアル思考”が強みになる学び方とは
🧠 本記事が基づく教育法とその要素
教育法 | 活用された視点・キーワード |
🌱 モンテッソーリ教育 | 視覚・空間・操作を通した理解(感覚教育) |
🌀 シュタイナー教育 | イメージや色彩を通じた認知の広がり |
🧠 ブレイン・ベースド・ラーニング | 空間認知/ビジュアル優位の学び方支援 |
📖 コンストラクティヴィズム | 自分の理解様式に基づいて知識を構築する力 |
🧩 よくある場面
- コードを「文章」で理解するのが苦手なのに、ブロック型ではスイスイ作る
- 図にすると分かるけど、言葉で説明すると詰まる
- 「完成図」を思い描いてから動き出すタイプ
→これは「言葉が弱い」わけではなく、思考のモードが“空間的”な子なのです。
🧠 ブレイン・ベースド・ラーニングの視点
人の脳には、視覚優位・聴覚優位・運動優位などの情報処理特性がある。
→絵・図・構造で捉えることが得意な子には、視覚的に設計するステップが合っている。
🌱 モンテッソーリ教育の視点
抽象的な理解に進む前に、“具体物”を通して空間的・順序的に体験することが不可欠。
→手を動かす/順に並べる/配置する…すべて「視覚と空間を使った理解」を土台にする考え方。
🌀 シュタイナー教育の視点
感性・色彩・形といった“視覚イメージ”の中に、深い概念を宿らせる。
→その子の“世界の捉え方”を尊重することで、論理も自然と後から育つ。
✅ 家庭でできる!「空間思考の強み」を活かした学び3ステップ

①【図で構造を描かせる】コードを“線”や“箱”で視覚化
📌 モンテッソーリ × ブレインベースド視点
🔸 実践方法
- 子:「ifって難しい…」
親:「じゃあ、条件の分かれ道を絵にしようか」 - 手描きフローチャート活動例:
もし〇〇なら
→ 矢印 →〇〇する
くり返し
→ ループマークを描く- 箱の中に命令、条件分岐は色を変える
🔸 声かけ例
- 「コードじゃなくて“道順図”にしてみよう」
- 「“線と箱”で描いたら何が起こるか分かるかな?」
🎯 狙い
見えない“論理”を見える構造に変えることで、思考の整理が爆発的に進む。
②【絵で目的を描かせる】「やりたいこと」をスケッチで出す
📌 シュタイナー × コンストラクティヴィズム視点
🔸 実践方法
- 子:「どんなゲームにしようかな…」
親:「絵にしてみたら?画面に何が出てくる?」 - 目的を絵にするステップ:
- 登場キャラを描く(どんな動きをする?)
- 背景や状況を描く(昼/夜、外/中、動くもの/静止画など)
- “結果”を描く(ゴール、得点、変化など)
🔸 声かけ例
- 「このゲーム、スタート画面はどんな絵にしたい?」
- 「キャラが動くとしたら、どこに向かうのかな?」
🎯 狙い
完成形を絵にすることで、コードは“目標に向かう手段”に変わる。
③【完成形を“見せる”設計】ゴールを描いてから手順を立てる
📌 ブレインベースド × PBL的逆算設計
🔸 実践方法
- スケッチブックやタブレットに“完成形の画面”を描かせる
- その画面を見ながら、以下を逆算: コピーする編集する
① 必要な要素は?(キャラ、スコア、音…) ② その要素の動きは?(どう動く・どう変わる) ③ どんな順番で準備する?(背景→キャラ→操作)
- 実際にやると:
- 「背景は一番先に読み込まれる」
- 「次にキャラを表示」
- 「クリックされたらジャンプ」
🔸 声かけ例
- 「この画面を作るには、まず何から始めればいいと思う?」
- 「この矢印の順番どおりにコード書いたらいけそう?」
🎯 狙い
見取り図 → 手順設計 → プログラミングへ。**図から入る方が合理的な子の“本来の道”**です。
💥 NG対応例【具体化と置き換えアイデア】
❌ よくある言葉 | 🧠 子の反応 | ✅ 置き換えアイデア |
---|---|---|
「コード読んで理解してごらん」 | 「コードだけだと意味がつかめない」→混乱 | 「このコード、図で描いたらどんな流れになる?」 |
「言葉で説明してくれないと分からない」 | 「頭にはあるけど、口では言えない…」→自己否定 | 「図で説明してみる?矢印とかブロックで」 |
「絵で考えるのは幼いよ」 | 「自分のやり方が間違ってるの?」→創造性低下 | 「絵で考えられるってことは、頭の中で全部見えてるってことだよ!」 |
✨まとめ:「“絵で考える子”は、論理が弱いのではなく、“空間で組み立てている”だけ」

「図で考える」は“逃げ”じゃなく、立派な認知スタイルの個性です。
- ✅ コード→図 ではなく 図→コード という“順序の逆転”が、理解を加速する
- ✅ 「視覚から入る力」は、UI設計・構造把握・デバッグなどに抜群の強み
- ✅ 空間思考を尊重すれば、ロジカル思考と融合しながら本質が育つ