目次
― プログラミングで「ミスに気づかない子」に必要なのは“見直し力”ではなく“試す習慣”
🧠 本記事が基づく教育法とその要素
教育法 | 活用された視点・キーワード |
📖 コンストラクティヴィズム | 自分で気づく・直すことで理解を深める学び |
🧠 ハビット・オブ・マインド | 柔軟な思考・検証習慣・ミスへの開かれた態度 |
📚 PBL(プロジェクト型学習) | 試行錯誤とフィードバックからの成長 |
🌱 モンテッソーリ教育 | 自己訂正可能な環境・間違いを責めない観察姿勢 |
🧩 よくある場面
- コードを見ても、間違いに気づかない/直せない
- 動かないのに「合ってると思う」と言う
- 他人に直してもらうまで、手が止まってしまう
→これは「集中力が足りない」のではなく、“検証と仮説のプロセス”が未発達なだけかもしれません。
🔍 「見直し=正解を見つける作業」になっていませんか?

- 子どもにとって“間違いを探す”ことは、恐怖や不安になりやすい
- その結果、間違いを避ける/気づかないフリをする/丸投げする傾向に
→「バグ=恥」ではなく、「バグ=ヒント」として捉える視点の転換が必要です。
🧠 ハビット・オブ・マインドの視点
「失敗やミスから学ぶ」ことを日常化する習慣が、思考のしなやかさを育てる。
📖 コンストラクティヴィズムの視点
自分で気づいて修正した経験は、“他人から教わる100回分”の理解を生む
🌱 モンテッソーリの視点
大人が「直してあげる」のではなく、「気づける環境」「やり直せる設計」を用意する
✅ 家庭でできる!「バグに気づく力」を育てる3ステップ

①【“動作予想”から始める】
📌 ハビット・オブ・マインド的先読み思考
🔸 実践方法
- プログラムを実行する前にこう問いかける: 「このボタンを押すと、何が起きると思う?」
「このコード、キャラはどこに行くはず?」 - ホワイトボードや紙に「予想欄」と「結果欄」を用意し、
- 予想 → 実行 → 結果 → 比較
を記録させる
- 予想 → 実行 → 結果 → 比較
🔸 活用シーン例
- 子:「これでいいと思うけど…」
親:「じゃあ、キャラがどう動くか絵に描いてみて。実行して合ってたか見てみよう」
🎯 狙い
予測と実行のズレに自分で気づくプロセスが、“検証力”を自然に育てる。
②【“バグ探偵ゲーム”で遊ぶ】
📌 コンストラクティヴィズム × PBL 的協働
🔸 実践方法
- 親や先生が「わざとミスのあるコード」を準備
- 子どもに探偵役になってもらい、「バグを見つけるミッション」を出す
🔸 遊び方例
- 「キャラが動かないゲームがあるんだけど、なんでだと思う?」
- 「3か所に間違いがあるコードを用意したよ。どこだと思う?」
🔸 活用アイデア
- コードに色をつけて見やすくしたり、「ここは合ってる?」「ここは怪しい?」とヒントを出す
- チェックリスト:「動作が始まる?」「ループは正しい?」「変数は初期化されてる?」
🎯 狙い
他人のバグは冷静に見られる=自分の検証力も高まる。ミス探しを“怖いこと”ではなく“楽しいこと”に変える。
③【“間違い日記”をつける】
📌 モンテッソーリ的記録と内省
🔸 実践方法
- ノートやアプリに次の3項目を記録:
- どんなバグが出た?
- どうして起こった?
- どう直した?
🔸 書き方例(子ども用フォーマット)
日付 | バグの内容 | 直した方法 | 次に気をつけたいこと |
---|---|---|---|
6/19 | キャラが動かなかった | if の条件ミス | 条件の中身をよく読む |
🔸 活用法
- 見返して「また同じミスしちゃったね」→「あ、前もこのパターンあったね」と“自己リファクタリング”へ
- 自分だけの「バグ図鑑」に育てると、成長を実感できる
🎯 狙い
“ミス=財産”という感覚をつけ、「間違えていい、ただし振り返ろう」が定着する。
💥 NG対応例【具体化と置き換えアイデア】
❌ よくある言葉 | 🧠 子どもの反応 | ✅ 代わりにこんな言い方を |
---|---|---|
「なんでこんなミスしたの?」 | 「責められてる」→バグが怖くなる | 「どこでズレたか一緒に探そうか?」 |
「ちゃんと確認してる?」 | 「確認って何をどうすれば…?」→混乱 | 「実行する前に、キャラがどう動くか予想してみて」 |
「また同じ間違いだよ」 | 「ダメな子って思われたかも」→思考停止 | 「これ、前もあったね。どう直したっけ? 見返してみよう」 |
✨まとめ:「“バグに気づけない子”は、“注意力がない”んじゃない。“検証の視点”がないだけかも」

✅ プログラミングにおける“ミス”は、むしろ学びの入口
✅ 「予測→実行→修正」の“ループ思考”が育つと、自然に気づけるようになる
✅ 間違いを「責めない・隠させない・活かす」環境こそ、子どもの思考力を伸ばす