目次
― プログラミングで「わかってるのに説明できない子」に必要な“見える言葉”の支援とは
🧠 本記事が基づく教育法とその要素
教育法 | 活用された視点・キーワード |
📖 コンストラクティヴィズム | 自分の経験を言語化して整理する学び |
🧠 ハビット・オブ・マインド | メタ認知/他者視点/思考の可視化 |
🌱 モンテッソーリ教育 | 手と頭をつなぐ「操作→ことば」の順序設計 |
📚 PBL(プロジェクト型学習) | プレゼン・発表を通じた「共有」と「思考の深まり」 |
🧩 こんな症状ありませんか?
- 「このコード、どうなってる?」と聞くと、うまく説明できない
- 「自分では理解してるけど、どう言えばいいか分からない」
- 他の子にプログラムを説明しようとすると、混乱して止まる
→これは「理解不足」ではなく、“構造を言葉にする経験不足”の可能性があります。
🔍 「説明できない=分かっていない」とは限らない
多くの子どもは、「頭の中」では分かっていても、
それを“他者に伝える言葉”に変換する力がまだ育っていません。
🧠 ハビット・オブ・マインドの視点:
「考えていることを、相手にわかるように出す」には、練習と意識が必要
- 自分の操作に「理由」や「意味」を持たせる
- “話すことで気づく”構造の再構築が起きる
📖 コンストラクティヴィズムの視点:
学びは「自分の考えを他者に共有しながら再構築」されるもの
→説明できないときは、「どう理解しているかを自分でもまだ言葉にできていない」だけ。
🌱 モンテッソーリの視点:
子どもは「操作」→「表現」→「ことば」という順で統合的に学ぶ
→プログラムを組んだだけでは、「自分で分かった」とは言えない
✅ 家庭でできる!説明力が育つ“ことばの橋渡し”3ステップ

①【動作と言葉をつなぐ】「これは何をするコード?」を1行ずつ“実況中継”
📌 モンテッソーリ的「操作→言語化」支援
🔸 実践法(例:Scratchや簡単なPython)
- 1ブロック(または1行)ずつ、実行前に言葉にして読む習慣
例:「このブロックは“ねこが10歩動く”」「このif文は“押したキーによって分岐”」 - 画面を動かしながら実況:
- 子ども「ここで止まる」「ここで音が鳴る」
- 大人「今言ったことを“書くとしたらどう書く?”」と逆変換の練習も◎
🧰 サポートアイデア:
- 📋「コード説明シート」:1行ごとに「これは何をする?」を書き込む欄を用意
- 📄 解説カードづくり:作ったコードを1枚の紙に「動き+理由」でまとめる
②【誰かに教える体験】「このコードの説明役」になってもらう
📌 コンストラクティヴィズム × PBL:教える=一番の理解
🔸 実践法
- 子どもが自分の作ったゲームやツールを親・兄弟に説明する役を担う
例:「これはジャンプボタンを押したら、どうなるか説明してみて?」 - 大人やきょうだいが「質問係」になって、あえてわざと聞く
- 「この変数って何のため?」
- 「ここがなかったらどうなる?」
🧰 サポートアイデア:
- 🎤「プレゼンタイム」を設けて、家族に披露
- 🎬 動画で「自分のコード解説」を撮って、後で一緒に振り返る
③【「わかる」と「伝える」の違いを可視化】してあげる
📌 ハビット・オブ・マインド:説明=思考の整理
🔸 実践法
- 子どもが「えっと…ここは…うーん」と詰まったら、焦らせない
- 一緒に「言葉の見取り図」を作る:
- 「①スタートする」
- 「②キャラが動く」
- 「③ゴールにつく」
→ 流れを整理してから、順番に話す練習
- 子ども自身に質問させてみる:「どう聞いたらわかりやすくなるかな?」
🧰 サポートアイデア:
- 🧱 コード構成チャート:「入力→処理→出力」を矢印でつなぐワーク
- 💬 「コードをLINE風チャットで説明する」など、遊び要素で気軽に言語化
💥 NG対応例【具体化と代替案】
❌ よくある声かけ | ⚠ 子どもの反応 | ✅ 言い換え・工夫例 |
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「だから?」「で?」 | 「何がダメなのか分からない…」→不安 | 「それ、聞いてる人はどう思うかな?って考えてみよう」 |
「説明になってないよ」 | 「もうやりたくない」→拒否反応 | 「どの部分から話したら伝わると思う?」と順序づけを促す |
「ちゃんと説明しなさい」 | 「どうせムリだし…」→意欲ダウン | 「私にわかるように、“ゲーム実況”みたいに話してくれる?」 |
✨まとめ:「説明できない子」は、“思考と言葉の橋”をまだかけていないだけ

✅ 言葉にする前の“準備”としての操作・整理が不可欠
✅ 「話す前に考える」「考えるために話す」=両輪の練習
✅ コードを説明する場を楽しく設けることで、“伝える力”が自然と育つ