「うちの子、すぐに姿勢が崩れるんです…」

  • 机に向かうと、すぐに体が傾く
  • 椅子に座ると、背中が丸まる
  • 床での姿勢も「くねくね」

「集中力がない」「やる気がない」と思われがちですが、実はこれ、本人の努力ではどうにもならない身体の“土台の弱さ”が原因かもしれません。

■ 問題は「お尻の下」だった!?

驚かれるかもしれませんが、姿勢が崩れる子どもの多くは、骨盤と座面の接し方(=座り方の“土台”)に問題があります。

特に注目すべきは:

「坐骨で座れていない」こと。

■ 坐骨って何?

坐骨とは、骨盤の下側にある「座ったときにイスにあたる骨」です。
正しく座れていると、この坐骨を左右均等に使って“骨で支える”状態になります。

でも体幹が弱い子は…

  • 坐骨でなく尾てい骨や太ももに体重がかかる
  • 骨盤が後ろに倒れ、背中が丸くなる
  • 結果として「姿勢が崩れやすくなる」

■ 体幹の弱さが集中力にも影響?

実は、体幹(腹筋・背筋・骨盤周り)が未発達だと、「姿勢を保つ」ことにエネルギーを使いすぎて、学習に集中できないという研究もあります。

May-Benson et al. (2010):
「体幹と姿勢制御は、学習持久力と自己制御機能に直接影響を与える」

✅ 自宅でできる!体幹トレーニング3選(1日3分)

1. 風船バランス座り

  • 空気を少なめに入れた風船や柔らかめのボールの上に座る
  • 30秒キープ × 3セット
    → 骨盤のバランス感覚とインナーマッスル刺激

2. ワニ歩きごっこ

  • 床にうつ伏せで寝て、手と足で前に進む
  • → 腹筋・背筋・肩甲骨まわりを総合的に強化

3. スーパーマンポーズ

  • うつ伏せで両手両足を浮かせて10秒キープ(背筋トレ)
  • → 背骨周りと骨盤安定に効果

✅ それでも姿勢が崩れるときは…

  • 椅子の高さ・足の裏が床についているか
  • 背もたれが深すぎないか(骨盤が後傾しやすい)
  • 座面にクッションを敷きすぎていないか(坐骨が浮く)

これらの環境要因も要チェックです。

✅ そもそも「姿勢が良い」ってどういう状態?

良い姿勢とは、ただ「背筋を伸ばす」ことではなく、

✨「骨で支えて、筋肉が力まずに安定している状態」

を指します。

だから、筋力ではなく「バランスと土台」を整えることが最優先なのです。

✅ 支援の現場でも注目される“骨盤座位”の重要性

  • 作業療法士(OT)による評価では、「骨盤の立ち具合」が学習姿勢の鍵とされる
  • 一部の療育施設では「骨盤サポート座布団」や「傾斜椅子」を導入

AOTA(2020)
「骨盤の安定性は、学習姿勢だけでなく、感情の落ち着きや呼吸にも影響する」

■ まとめ:子どもの集中力は“お尻”から始まっていた?

お子さんの姿勢が悪いと感じたら、それは怠けているのではなく、
「骨で支えられていない」=身体の仕組みが整っていないだけかもしれません。

いくら声かけしても変わらないのは当たり前。
だからこそ、「お尻の下=坐骨と骨盤」から整えることで、姿勢・集中・書字・学習効率まで変わっていくのです。