― 抽象的な数式が苦手な子に必要なのは、“触れる数学”だった

🧠 本記事が基づく教育法と要素

教育法活用された視点・キーワード
🌱 モンテッソーリ教育数・図形・操作を通じて“具体”から“抽象”へ
🌀 シュタイナー教育イメージや感覚を通じた自然な理解の流れ
🧠 ブレイン・ベースド・ラーニング抽象処理のための「具体的な経験の蓄積」
📖 コンストラクティヴィズム自らの経験から意味を構築するプロセスの重視

🧩 こんな症状ありませんか？

  • 「数字は嫌い」「公式って意味がわからない」と感じる
  • 「答えは出せるけど、なぜそうなるか分からない」
  • 数学になると「途端にできない自分」になる

→これは「数学のセンスがない」わけではなく、数式が“記号の羅列”にしか見えていないからかもしれません。

🌱 モンテッソーリの視点：

抽象的な数や概念は、具体物→視覚→言語→記号という段階で理解される

→最初から数式で教えても、身体感覚と結びついていないと“ただの暗号”になる。

🌀 シュタイナー教育の視点：

感性やリズム、図形や形といった「動きのあるイメージ」が理解の入口になる

→たとえば「割り算＝分ける動作」「かけ算＝増えていく動き」を感覚で掴むことが先。

🧠 ブレイン・ベースドの視点：

抽象的な処理能力は、五感や体験を通じた「基礎スキーマ」の蓄積が前提

✅ 家庭でできる！「具体→抽象の橋渡し」アプローチ3選

①【“数字”を動かして体感させる】

📌 モンテッソーリ教育の具体物操作
→「見える・触れる・動かす」ことで数の意味を“体に落とし込む”

🧠 目的：

抽象的な「数式」を、手と目で“実感”できる形に置き換えることで理解を促す

🏡 実践例：

  • 【かけ算の体感】
    👩「2×3ってどういうことだと思う？」
    👦「2個、3つあるってこと？」
    （→ペットボトルキャップやおはじきを3つずつ2列に並べて見せる）
    👩「ほら、3が2列あるね！何個ある？」
    👦「1,2,3…6！」
  • 【割り算の動作】
    👨「12個のクッキーを4人で分けたい時、1人何個もらえる？」
    （→実際にクッキー型ブロックを並べて4つの皿に配る）
    👧「あ、3個ずつになる！」

📌 家庭で使える道具：

  • ブロック／ビー玉／洗濯バサミ／豆／トランプの数字カード
  • 数字を視覚化できるように「お金のおもちゃ」「サイコロ」なども活用◎

②【“数式”を絵や図にして表現させる】

📌 シュタイナー×コンストラクティヴィズム的アプローチ
→「数字はイメージできるもの」という感覚を育てる

🧠 目的：

記号でしかなかった数式が、「絵」や「図解」によって意味を持つようになる

🏡 実践例：

  • 【文章題を図にする】
    問題：「5人に3個ずつリンゴを配ったら、全部で何個？」
    👩「これ、どんな絵になるかな？」
    👦（5人の顔を描き、横にリンゴを3個ずつ）
    👦「リンゴが3個×5人分…だから15個！」
  • 【図で“面積”を実感】
    👨「4×6ってどういう意味だと思う？」
    👧「4列に6個並べる？」
    → 6×4のマスを方眼紙に塗ってもらう →「面積になってる！」

📌 工夫ポイント：

  • 筆算や公式の前に、「この計算ってどういう場面？どんな形？」と“問い返す”習慣を
  • 絵が苦手でも、○や■だけでOK。イメージすることが目的です

③【“意味が通る言葉”で式を言い換えさせる】

📌 コンストラクティヴィズム的再構成
→ 式＝“言葉にできる思考”であると捉え直す

🧠 目的：

記号の操作だけでなく、「自分の言葉」で式を“意味のある文”に変換できる力を育てる

🏡 実践例：

  • 👩「この“7−2”って、どんなことを表してると思う？」
    👦「7個あったけど、2個なくなったってこと？」
    👩「うん、そうすると今は…？」
    👦「5個残ってる！」
  • 👨「“3×4”を“たし算”に言い換えるとしたら？」
    👧「4を3回たす？4＋4＋4？」
  • 👩「この“12÷3”ってどういう意味？」
    👦「12を3つに分ける？…1つ分は4！」

📌 声かけヒント：

  • 「この式って、どんな“できごと”を言ってると思う？」
  • 「それを言葉で説明するとしたら、どうなる？」

💥 NG対応例：「公式でやれば早いでしょ」「何回も書いて覚えれば慣れるよ」

❌ 大人の意図🧒 子どもの反応🙅‍♀️ NGな声かけシーン
短時間で定着させたい「意味がわからないまま記号操作だけ」👩「2×3？かけ算って覚えればいいでしょ」→ 🧒（何でかけ算なの？）
習熟を狙って反復練習「考える楽しさが消え、算数が嫌いに」👨「10回書けば覚えるから！」→ 🧒（なぜ書くのか分からない…）

✨まとめ：「算数にセンスがない子」は、“わからない”のではなく、“抽象までの道筋”を経験していないだけ

✅ 式は“見える・触れる・動かす”ことで、「なるほど」に変わる
✅ 記号を記号で終わらせず、「意味」「絵」「言葉」に変換するステップが鍵
✅ 子どもが「自分でつかんだ数学の意味」は、何よりも強く記憶に残る